1. 採集用具

採集用具は捕虫網、枠、竿、三角ケース、三角紙が最低限必要です。志賀昆虫社、むし社、滝道昆虫などで販売しています。枠と長竿は釣具店で磯釣用玉網のセットを購入するのが良いでしょう。


捕虫網は50cm径が標準で、長竿には折れないように口径の小さいもの、振り逃がしを減らしたい場合はより口径の大きい網を使います。

網の色は重要で、ギフチョウには青、熱帯のアゲハ類には赤が誘引効果があるので良いことが知られています。このほか緑色などは市販されています。白い網を布用染色剤で染めるとオリジナルのカラーネットが作れます。

クモマツマキチョウはオレンジ色に、タカネキマダラセセリは濃い青に寄ってきますので、いろいろ試してみてください。

枠は材質により価格が大きく違います。

同じ50cm径で左のアルミ製は1220円、右のジュラルミン製は7060円。耐久性などこだわらない場合にはアルミ製で十分と思います。


使用中の竿(上から)

1.NECYDALIS蜂天牛;11m,台湾製,昆虫文献六本脚扱い

2.HOUGA;7m,PROMARINE社,ネット販売で購入

3.HolidayIso XT;5m,Shimano社,ネット販売で購入

4.鬼シバキ棒;1.8m,滝道昆虫社,展示会で購入

5.超小継玉の柄;3.6m,メーカー不明,釣具店で購入

ネットで購入したものは2代目以降で竿の調子が固いことがわかっているもの。

個人的に使用頻度が高いのは、遠距離探索用の3番と接近戦用の4番。


捕獲用番外編;お散歩ネット(携帯用)

志賀昆虫社の36cm径スプリング枠と白網、ネットの上に載っているのは玉網用とスプリング枠をつなぐためのオスオスネジのジョイント、カバーは1Lポリ水筒を腰につけるためのバッグ。継竿を使っていると、1段目が折れたりして先の金具の付いた短い竿がいくつもできる。これを生かすための手作りセット。お散歩ネット自体は市販品もあります。


三角ケースは中仕切を入れて、空の三角紙と採集品を分けます。写真は通常採集用の中仕切をセットしたケース。小型の三角紙が前後で採集品と区別できるように、厚紙で幅のある中仕切を手作りします。中型または大型の三角紙は内側と外側で採集品を分別します。小型の蝶の反転を直して収納するために先の尖ったピンセットも入れられるように工夫すると良いでしょう。


2. 展翅用具

展翅用具は昆虫針、展翅板、展翅テープ、玉付待ち針、柄付き針が最低限必要です。


昆虫針は志賀製有頭針、待ち針は先の尖ったもの(千本入りのパールピンは先が甘い)、展翅板は志賀製(板下深さ27~28mm)を使っています。アートいなばや製(同26~27mm)も良い展翅板です。展翅テープは透明なものが翅が見やすくて良いのですが、切れにくさの点で、NRC製を使っています。

柄付き針の先は翅整形用(左)は1号の無頭針、触角整形用(右)には3号の無頭針を折り曲げて付けています。